リンパ管の内部にカーボンナノチューブを流したハイスピードカメラ像

齋藤直人教授(バイオメディカル188bet体育_188bet备用网址所長)、黒田千佳さん(山口大学医学部3年、信州大学大学院医学系188bet体育_188bet备用网址科修士課程卒業生)らの188bet体育_188bet备用网址グループは、カーボンナノチューブ(CNT)を始めとするナノ粒子がリンパ管の中でどのような動きを示し、リンパ管の生理的な動きに影響を与えるのかを評価するための新規の実験システムの開発に成功しました。

体内に取り込まれたナノ粒子はリンパ管に入りリンパ管内を流れますが、このリンパ管は体内では自発的に収縮や拡張を繰り返してリンパ液を輸送しています。本188bet体育_188bet备用网址では、ラットから摘出したリンパ管の内部にCNTなどのナノ粒子を流して、それらのナノ粒子の動きを視覚的に捉えるだけでなく、ナノ粒子がリンパ管の自発的な収縮?拡張やリンパ管組織自体に与える影響について、生体外で評価することができるシステムを初めて開発しました。これにより生体内に取り込まれたナノ粒子とリンパ管の相互作用について明らかにすることができ、ナノ粒子の生体安全性評価や体内動態が解明され、ナノ粒子の臨床応用に貢献することが期待できます。

本188bet体育_188bet备用网址成果は技術の詳細はエルゼビア社の学術誌Nano Today (インパクトファクター2019:16.907)にオンライン掲載されました。


【論文情報】

題目:Isolated lymphatic vessel lumen perfusion system for assessing nanomaterial movements and nanomaterial-induced responses in lymphatic vessels

著者:Chika Kuroda, Kumiko Ajima, Katsuya Ueda, Atsushi Sobajima, Kazushige Yoshida, Takayuki Kamanaka, Jun Sasaki, Haruka Ishida, Hisao Haniu, Masanori Okamoto, Kaoru Aoki, Hiroyuki Kato and Naoto Saito

掲載誌:Nano Today

DOI:https://doi.org/10.1016/j.nantod.2020.101018


プレスリリース(PDF:782KB)